はじめまして · Nice to meet you Japan

by javier on 30/08/2011

多くのカトリックの子供たちが体験するように、私も10歳のときに初めて聖餐の儀式を受けた。友達や親戚からたくさんのプレゼントをもらったが、そのほとんどは本や服だった。しかし、私が一番気に入ったプレゼントは、12の異なる音色を奏でるCASIOのデジタル腕時計だった。それを腕にしていると、まるで未来を身にまとうような心地がした。時計の裏を見てみるとそこには「Made in Japan」と刻まれていた。こんな素晴らしいものを作る国は一体どんなところなんだろうと想像を巡らせていた。その時計が本当に大好きだった私はある日、大きくなったら日本に行って、その時計を作るような人たちと一緒に仕事をして、未来を作る人になりたいと心に誓った。10歳のとき、私はそんな夢を抱いていた。

今、私は36歳になり、インタラクションデザインスタジオを経営している。そして日本で仕事をしようと決心した。

Vostok Studioは日本へ進出する。以前のように旅行者としてではなく、日本人と共に、日本人のために仕事をするデザイナーとして。日本は長年に渡って私たちに多くのものを与えてくれた。今こそ、そのお返しをするときなのだと感じている。いつも私たちに何かを教え、ワクワクさせてくれた国、そして最近ではその国のことを思い、多くの人たちが涙を流した。そんな国から興す美しい復興の一員になりたいと心から思う。

優秀なデザイナーなら誰しも私たちの仕事が日本文化から多大な影響を受けているということを意識しているはずだ。日本庭園、武道、寿司、禅、CASIO、SONY、SEGA、BANDAI、MUJI、Panasonic、SEIKO、TOYOTA、アニメ、ガンダム、深澤直人さん、原研哉さん、・・・その他多くの人やメーカー、ブランドなど、名前をあげれば切りがないほどある。

品質や完璧さ、職人技、美やバランスの感覚、高尚さ・・・これらはVostokが追求する価値でもある。そのような共通点もあり、日本への最初の第一歩を踏み出すのに今が絶好の機会だと確信している。ワクワクせずにはとてもいられない。

私たちは、尊敬する様々なブランドやデザイナー、多くの成果を見てきたが、日本のインタラクションデザインにはまだまだ成長の余地が多く残っているように思う。素晴らしい技術者がいる国、そして、技術者主導のプロダクトが持つ否定的な側面へも寛容だった社会、日本。しかし、iPhoneが日本へもたらされたとき、適切にデザインされたインターフェースとユーザーエクスペリエンスが日本社会でもすぐに受け入れられ、歓迎された。ということは、私たちVostokにもチャンスがあるのではないだろうか。

他国でデザインスタジオの活動を広げていくのは容易ではない。まして、スペインで誕生した小さな会社が国際社会に飛び込み、しかし組織のサイズは小さなままで活動を続けていこうというのは普通ではない。不安定で険しい道になることは間違いないし、具体的に何をどうしていくのかという懸念もある。でも私たちは本気で取り組む事にした。マドリードと東京の双方から仕事をし始めて数ヶ月が過ぎた。将来日本からのクライアントとなり得る人たちへ向け、私たちの仕事や、デザインに対する考えがきちんと伝えられるように、東京にいるチームが映像作品や、ケーススタディビデオなどの翻訳や、異文化適応対策に取り組んで来た。文字を翻訳しただけでは十分伝わらないことは分かっているので、ポートフォリオも準備し、視覚的な面も含め、より様々な角度からVostokを理解してもらえるよう努めて来た。Eri KageyamaとDani Alíasの2人は東京で活動している私たちの誇るVostokチームの仲間だ。Karyna Wallaceも多大な助力をしてくれた。何十年も日本に住み、ファッションデザイナーやファブリック設計に従事してきた彼女は、自身の日本での活躍などを喜んで私たちに教えてくれた。これらの人たちの支えや、そしてもちろん、マドリードで共に働く私のVostokチームの協力のお陰で私は自信を持ってここまで来る事ができたのだと感謝している。

かくして、私は第一歩を踏み出した。入学前日の子供のようにワクワクしている。5年前のVostok Studioの誕生以来、今までで一番重要な決断なのだから。そしてもうすぐそれは現実となり、動き始める。日本へ進出するというのは、険しく冒険的な決断だと思う。膨大な時間やお金もかかることだ。しかし、こうして私を突き動かすのは、純粋に日本が好きという気持ちなんだと思う。

There are 2 comments in this article:

  1. 31/10/2011Takamasa Matsumoto says:

    ようこそ日本へ!
    Javierさんの仰るとおり、Appleのもたらした素晴らしいプロダクトによって
    日本でもインタラクションデザインへの重要性が急速に高まっていると感じます。
    ポートフォリオやブログを読ませていただき、一貫した理念に共感しました。
    Vostok Studioが日本のユーザーエクスペリエンスを変え、
    人々の生活をより良い方向へと変えてくれると信じています。

  2. 3/11/2011Javier Cañada says:

    Thank you very much, Matsumoto-San. I agree with what you say and I’m sure that together we can push a little bit for Japanese interactive design to be as good as it is in other fields.

    Congratulations on your designs, by the way. They’re very good.

    javier.

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